1億円があったら 尾崎大輔

ばんぶんぼん!は作家の小原晩、星野文月とBREWBOOKS尾崎大輔の3人によるリレー連載です。3人で話してみたいテーマを持ち寄って、自分の思うこと、ふたりに聞いてみたいことなどを書いていきます。連載のタイトルは3人の名前や愛称をくっつけました。


文・写真・題字:小原晩/星野文月/尾崎大輔
キービジュアル:モノ・ホーミー

一億円があったら、土地を買います。そんでそこにBREWBOOKSを建てます。これまでの自分の経験と、店を構えて商売をしている方々から聞いた話(いろんな話)をふまえると、商売するための物件は買ったほうが良さそうです。買えるなら…。

都内で建てるところから始めるとして、一億円で足りるのか?今ざっと検索しながら書いてるんだけど、まあ十分いけそう。設備とか機械いらないし。一階建てがいいです。ワンフロアに売り場とイベントスペースを設けたい。そのほうが楽です。二階建ては何かと不便があります。十五坪くらいあれば十分かな。えっ足りるのかなほんとに。不安になってきた。何でもかんでも叶えられるかというと、そこまではいかなそう。条件次第。立地次第。「クラフトビールの製造もするぞ!」とか言い出すと初期費用がゴリッと増えるし人も雇わなきゃだし、当面の運転資金も確保しておきたいよね…となり、油断してると足りなくなる気がする。なのでここはゆずれない、という希望と、現実的な条件に折り合いをつけながら実現していく、ということになりそうです。まあなんでもそうだよね…。なにこれ全然夢がないな。いや自分が悪いのか。これって家賃とかその他諸々の負担を無くしたい、という話なので自分としてはさほどワクワクしないのかもしれない。夢のない方へ思考が引っ張られてる…!宇宙!宇宙に行きたい。と思って検索してみると前澤さんは五十億円かけて宇宙に行ったらしいです。宇宙、別にそこまで行きたくない気がしてきた。無人島がほしい!無人島なら買えるんじゃないかな知らんけど。真ん中に旗を立てたい。でも虫とか沢山いるだろうな〜いやだな。海もねえずっと見てるとなんか怖くなってくるよね。無人島は思いを馳せるくらいがちょうどいいかも。買わなくていい。

良い店(高いという意味ではない)に飲みに行ったり、思い立った時にふらっとどこか遠くに行くとか、そういうことができるゆとりがあったらそれなりに満たされるかな。

尾崎大輔 / Daisuke Ozaki

1982年生まれ。2018年にBREWBOOKSをオープン。

だいたい2時半くらいに寝ます。