心が死にかけのとき 尾崎大輔

ばんぶんぼん!は作家の小原晩、星野文月とBREWBOOKS尾崎大輔の3人によるリレー連載です。3人で話してみたいテーマを持ち寄って、自分の思うこと、ふたりに聞いてみたいことなどを書いていきます。連載のタイトルは3人の名前や愛称をくっつけました。


文・写真・題字:小原晩/星野文月/尾崎大輔
キービジュアル:モノ・ホーミー

心が死にかけのときにどうしているか?
どうしてるのかな。死にかけにもいろいろありそう。

人間に冷たくされまくったり、上から物を言われたりするのほんとつらいよね。おかしくなる。環境を変えるべき。仕事で身を置いている環境に馴染めなくてとにかくしんどかった頃、プライベートの時間で何をしていたかと言うと、SNS……!SNSが心のよりどころでした。今よりもインターネットが牧歌的だった頃の話です。そのSNSはユーザー数があまり多くなく、他と比べてずいぶん治安の良いSNSでした。ユーザー同士が徐々に仲良くなってきて、機運が高まってゆき、ある時「会います……?」ということになり、オフ会が企画され、それに参加してみたり、さらには自分で開いたりしていました。なんだかずいぶんと気持ちが外に向かっていた。オフ会って言葉、今も使うのかな…。オフ会を開くなんて、普段の自分がもっともやりそうにないことです。行こうとも思わない。意味が分からない。
仕事が(というか職場が)めちゃくちゃしんどくておかしくなりそうだから、プライベートは逆にめちゃくちゃ楽しい、みたいな状況を作って心のバランスを取っていたんだと思います。外部と繋がることで息をしていた。でも結局はある日何かがプツンと切れて、職場に行けなくなってしまいました。なのでこのやり方は間違っています。逆張りで一時的にバランスを保てたとしても、問題はなくならないですからね。そんな風になる前にとっとと環境を変えるのが一番だと思います。

その頃の行動と店を作ったことは根っこでは繋がっているなと今は思っています。オフ会を開くのと比べて店を作るのは少し大きなことだけど、どちらも自分が正気でいられる環境を作ろうとしていたんだと思います。

尾崎大輔 / Daisuke Ozaki

1982年生まれ。2018年にBREWBOOKSをオープン。

だいたい2時半くらいに寝ます。