【頭覗vol.10】写真家の頭の中を覗いてみる〜ODD ZINE vol.4刊行記念企画〜 2020.6.21

【ODD ZINE vol.4刊行記念特別企画!】

『ODD ZINE vol.4』刊行記念トークイベントの第2弾は写真家・金川晋吾さんに登場頂きます。

蒸発した父の写真と日記を収めた『father』のこと、写真を撮ること、日記を書くこと、ODD ZINEのなかで書かれていたダンスホールレゲエ(!)のこと。

聞き手はフォトグラファーの鳥野みるめさんが務めます。

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話し手
金川晋吾(かながわ しんご)

1981年京都府生まれ。写真家。2016年青幻舎より『father』刊行。2010年三木淳賞、2018年さがみはら写真新人奨励賞受賞。近年の主な個展に「同じ別の生き物」(2019年、アンスティチュ・フランセ)、「長い間」(2018年、横浜市民ギャラリーあざみ野)。去年から自分が書いた日記を声に出して読む「日記を読む会」を不定期で開催している。
犬たちの状態』(フィルムアート社「かみのたね」、小説家の太田靖久さんとの共作)、『写真のあいだ』(晶文社「スクラップブック」)、『往復書簡:不安な言葉』(詩人の大崎清夏さんとの往復書簡)。2020年5月刊行の文芸ZINE『ODD ZINE vol.4』(太田靖久・編集)に寄稿。http://kanagawashingo.com/

Twitter:https://twitter.com/kanagawashingo

聞き手
鳥野みるめ(とりの みるめ)

1990年 神奈川県に生まれる
2013年 東京造形大学デザイン学部映画専攻卒業 在学時より、大西成明氏に師事
2019年8月にZINE「ゆきのき」を刊行。KiKi千住東の家にて初の個展。
同年12月に作品の撮影地である山形の郁文堂書店で展示を行う。

Twitter:https://twitter.com/torinomirume


日時:6月21日(日) 14:00-16:00
開催方法:ライブ配信(Zoomミーティング)
定員:100名
参加費:1,500円
申し込み方法
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購入時に備考欄に以下をご記入ください。
・金川さんへの質問(あればぜひ!)


金川さんへの8つの質問

聞き手を務めて頂く鳥野みるめさん、BREWBOOKS店主とスタッフが金川さんに質問しました。

Q. 言葉は写真の説明なのか、写真と言葉は補完関係なのか

A. 『father』の日記と写真の関係でいうと、日記は写真の説明ではないです。補完し合っている部分がないことはないと思いますが、補完というよりもむしろ互いが裏切るようなものになってほしいと思っています。

 

Q. 言葉に写真が引っ張られることはあるか。あるとしたらどんな場面か

A. 写真は言葉にどうしたってひっぱられると思いますが、そこがおもしろいところだとも思います。言葉を介さずに写真を見るということはできないのではないでしょうか。

 

Q. 写真を撮って父親との関係性や心持ちが変わったか

A. 変わったと言えると思います。ただ、この変化は写真を撮ることの影響だけではなくて、それを作品として発表することの影響も大きいです。あと、私が撮るのではなくて、父にカメラを渡して父自身を毎日撮ってもらっていて、これはもう10年以上続いているのですが、この写真の影響も大きいと思います。
今となっては、これだけ長い間、写真を撮ることにつき合ってくれていることに感謝せざるをえないような気持があります。

 

Q. お父さんの写真を撮るとき、良い写真が撮れたとは何を持って思うのか

A. 撮っているときはあまりよくわからなかったり、いい写真が撮れたと思っても、現像してみるとそうでもないということがよくあります。
作品として人に見せる写真を選ぶ基準はいろいろあると思いますし、一枚ごとによってそれはちがったりもするのですが、『father』のなかに入っている写真を選んだときの基準をもし言葉にするとしたら、「より適切に切り取られている写真」「切断がうまくいっている写真」みたいに言えるのかなと思います。ではその「切断がうまくいっている」とはどういうことかという話になってくると思いますが、これはなかなか端的には答えられそうにないので、当日お話させてもらえたらと思います。

 

Q. 金川さん自身が「生きていくのがめんどくさくなる」瞬間

A. 自分もかなりのめんどくさがりなので、本当にいろんな些細なこと(本を本棚にしまう、服をちゃんと畳む、パソコンのデータを整理してバックアップをとっておく等々)がめんどうだと感じるのですが、その一方で死ぬことがものすごく怖いせいか、「生きているのがめんどうくさい」というふうにはあまり思ったことがありません。

 

Q. 日記に興味を持ったのはなぜか

A. 自分の作品で日記を使おうと思ったのは、説明を省いて断片的な事実だけを書くことができるのが合っていたからです。人の日記に興味をもったのも同じような理由で、事実や思いが説明もなしに端的に書かれているところがおもしろいと思いました。と言っても、実際には、人それぞれ日記の書き方や書いている内容は全然ちがっていて、誰かに向かって一所懸命に説明しているような日記もあるのですが、それでもやっぱり日記の文体みたいなものはあるような気がしていて、そういう日記の文体みたいなものが私は好きなのだと思います。
「日記を読む会」をやってみようと思ったのは、日記に対する興味もあったのですが、個人的なこと(他の人にとってはどうでもいいこと)を他人に話す、ということについての興味も関係しています。
・日記を読む会
https://krautraum.com/event/403/


Q. 『and animals』が好きです。なんと言ったら良いか分からないのですが、
誰も目に留めなかったかもしれない一瞬が残されているようなところが好きです。
こういった写真は訓練の末に撮れるようになるものなのでしょうか?

A. たくさん撮ってその写真をじっくり見返せば、そのなかに何枚かは普段は目に留めていないものが写っていたりすると思います。
たくさん撮って、その撮ったものを見返して、またたくさん撮って、ということを繰り返していけば、その人なりのスナップ写真というものがだんだんと撮れるようになっていくと思います。

 

Q. 『犬たちの状態』(フィルムアート社「かみのたね」、小説家の太田靖久さんとの共作)の連載の中でいろんな犬がお話や写真の中に出てくると思いますが、もしご自身が犬だったらばどんな犬種ですか?

A. 自分で自分がどういう犬種なのかはよくわからないので、太田さんと『犬たちの状態』を担当していただいている編集者の臼田さんに、もし私が犬だとしたら犬種は何かを訊いてみました。
太田さんによるとミニチュア・シュナイザー、臼田さんによるとジャック・ラッセル・テリアとのことでした。ミニチュア・シュナイザーやジャック・ラッセル・テリアのイメージに自分を重ね合わせようとすると、なんだか妙な気分になりますね。
太田さんからは「僕としては、シュナウザーは自転車の前かごに乗せた時にもっとも絵になる犬種として存在しているので、その例にならうなら、誰かが運転する車の助手席に乗っている金川さん、がもっとも絵になるのではないかと思います」というコメントまでいただきました。

 


■参加の流れ
・STORESでチケットお買い上げの方に、開催時間の30分前くらいにメールでZoomの招待URLをご案内します。URLから自動でミーティング参加の画面になります。

■その他留意事項など
・イベント中のZoomの設定は画面OFF・音声OFFでお願いします。

Zoom利用が初めての方
アプリのダウンロードが必要になります。
お送りするURLから自動でダウンロード画面になります。
下記リンクは参考にどうぞ。

https://zoomy.info/manuals/what_is_zoom/