歌人の盛田志保子さんによるエッセイ集『五月金曜日』について話したい人が集まる読書会です。
なぜ今この本を、という理由は特にありません。
とにかくいい本だからみんなで読もうぜ、ということにつきます。
ほんとうにいいんだ。
それは例えば、秋の午後を描いたこんな文章です。
台風には気持ちがない。
たぶん台風自体が、だれかの気持ちなんだろう。
それにしても嵐の多い秋だ。
暗い秋の午後、外は雨。
夜はまた台風が来るらしい。
もしくはキッチンでのこんな一コマ。
ベーグルはほとんど、愛してると言ってもいい。
でも自分で作ったらがっかりした。竪穴式時代の食べ物を、再現したみたいになったのだ。ぐちゃぐちゃだった。なんでだ。なんでベーグルがぐちゃぐちゃになるんだ。指がおかしいんだ、きっと……。などと考えて、粉だらけの台所で惚けていたら、弟が入ってきたので隠す。
それと、いくつかの短歌。
あなたにはささらないかもしれないが安全ピンをはずして渡す
りりあんを光のなかで編むように書いてしまった知らない手紙
世の中でいちばんかなしいお化けだといってあげるよまるかった月
なんなんだろう、これは。とにかくすごい文章がさらっと詰まった一冊です。
なんでこんな風に世界が見えて、それをこんな風に書きとめられるんだろう。ほんとうに不思議です。ということで、みんなで話し合いましょう。
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●日時
8月15日(土)14:00~16:00
●参加費
1,000円+1ドリンク
●申し込み方法
・Twitter、Instagramのリプ/DM
・メール(info@brewbooks.net)
・店頭
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